繋がれ私の脳細胞

Exhibition

繋がれ私の脳細胞

昨夜覚えた単語を思い出そうとテスト中にまどろむ女子高生。この日常的なシーンには、人間の記憶と睡眠という二つが絡み合った背景が存在する。この状況に共感してしまうあたり私たちは寝不足が記憶力に影響を与えることを経験的に知っている。この研究では寝不足が記憶そのものを失わせるのか、それともうまく取り出せなくなるだけなのか検証している。寝不足で思い出せない記憶は、実は消えてしまったわけではないというのだ。ちょうど、図書館の本が奥の書庫に しまい込まれてしまったように、取り出しにくくなっているだけなのだという。さらに驚くべきことに、特殊な光や薬を使えば、その「忘れた」はずの記憶を呼び覚ますことができるということもわかってきた。つまり、寝不足で必死に詰め込んだ知識は、頭の中のどこかには確かに存在しているらしい。テスト中の女子高生のもがきにも、少しは希望が見えてくる。とはいえ、結論は変わらない。十分な睡眠を取ってテストに臨むのが最善の策なのだ。それでもなお、時には奇跡を願いたくなる。その時は心の中で唱えてみたい。“繋がれ私の脳細胞”と。

Inspired by

  • Bolsius, Y. G et al (2022) Recovering object-location memories after sleep deprivation-induced amnesia Current Biology

Credit

Illustration
Generative AI
企画/解説
浅井順也

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