
Blink Album
“見落としてしまうのは、大事なことばかり”



”瞬きを三回してる間に
大人になるんですと君が言った ”
フジファブリック「まばたき」
動画でかすかに見える写真は、
まばたきしている間の見えていない景色である。
時間にしてわずか0.3秒。
まぶたの向こうの景色なんかとるに足らないように思える。
しかしその瞬間をたくみに利用する人がいる。
マジシャンは相手がまばたきしているタイミングに
だいじなタネを仕掛けていることがわかっている。
日常の私たちが何気なく瞬きをしている間にも、
見落としちゃいけない何かを見落としている可能性も無にできない。
散歩、買い物、旅行。
だいじな人と一緒にいる時、
本当にだいじなことはまばたきの向こう側で起きてるかもしれない。
Blink Albumはまばたきの向こうにあったかもしれない、だいじな瞬間を記録したアルバムである。

Review
私たちは瞬きによって起きている時間の10%を目をつむっている。目を潤すだけではここまで時間を必要としない。一体何が起きているのだろうか。
瞬きには「注意の句読点」という役割がある。例えば、映画の重要なシーンに見入っている間は瞬きが減り、シーンが切り替わると瞬きが起こる[1]。イギリスで制作された人気コメディーショー「ミスター・ビーン」を鑑賞する時、人々の瞬きするタイミングが同期する。ミスター・ビーンが「車を降りる」「画面から姿を消す」、あるいは「同じシーンが繰り返される」など、被験者が目の前に映し出されたストーリーから「句読点」を読み取った時、ほぼ一斉に瞬きが起きた。
この瞬きの盲目の瞬間をうまく利用している人々もいる。注意を巧みに操るマジシャンは、聴衆の瞬きをする「注意の句読点」のタイミングでネタを仕込んでいることがわかっている[2]。マジシャンが無意識にこの暗黙の句読点を活用していたことは非常に興味深い。
現代は情報が溢れ注意がいろいろなところに向く環境にある。広告やSNSやコンテンツ、情報の洪水は絶え間なく流れ込んでくる。その間、溺れて息継ぎするようなまばたき。まぶたの向こうの隠された世界にこそ、価値ある情報があるかもしれない。
Reference
How to record
・ウェアラブルカメラ、メガネ型瞬き検出器(JINS MEME)を着用。動画と瞬目を記録しながら散策。
・録画した動画と記録した瞬きのタイミングを照合し、画像抽出。
・通行人の顔にモザイク処理実施。

Credit
- 作品解説
- 水山遼
- 企画/制作
- 浅井順也